SIMロック解除義務化で何が変わるのか?

掲載日:2014年10月11日(土)

2015年度からSIMロックの解除が義務づけられる見通しとなっていますが、消費者には何のこと?メリットあるのかな?という方もいると思います。

PhoTones Works #384 / PhoTones_TAKUMA

SIMロックとは

まず、SIMロックとは各携帯電話会社発売の携帯・スマートフォンを他社SIMカードで使えないようにするというもので、ドコモから発売された機種にAUのSIMカードを挿しても機能しないといったものです。iPhoneのように3大キャリアで同じ端末でも携帯会社によりロックがかかっていて他社SIMは使えません。
つまり、お気に入りの機種がある場合はその機種を発売しているキャリア(ドコモ・ソフトバンク・AUなど)の回線を使用する必要があるということです。


このSIMロックはキャリアにとっては回線契約者を囲い込む効果がありました。
例えば、現在はドコモ・ソフトバンク・AUで取り扱っているiPhone。ドコモでの発売はごく最近で、以前はiPhoneを契約したいがためにドコモから他社へ乗り換えるという方も多く見られました。逆にお気に入りの使っている機種があるが、他社の回線を使いたい場合は機種か回線での妥協が必要でした。
SIMロックの解除でこのような場合でも好きな機種・キャリア回線を選択することが可能となります。
しかし回線に関して、以前は例えばソフトバンク同士は無料など各キャリア同士の通話のみ無料とするプランが存在し、通話相手のキャリア次第で利用料金が異なってしまう時期がありました。現在は国内回線(104やナビダイヤルなどを除く)が無料となる通話料定額プランが各キャリアで主流となっており、ほぼ横並びの状況で落ち着いています。現在の料金プランでキャリアを決める人はほとんどいないのではないでしょうか。SIMロック解除義務化を見越しての戦略とも考えられます。


No SIM / Dominik Schwind

このSIMロック解除がキャリアに義務づけられたとして、われわれ消費者には何か影響があるでしょうか?

メリットは先ほど記述した機種、回線の選択の幅が広がる以外にも。
各キャリアは利用者の「囲い込み」の一端が無くなることで新たな価格競争を強いられる可能性があります。これはもちろん回線利用者を増やすのが目的ですから、プラン料金などにリーズナブルなプランを追加するなどの他社との差別化、あらゆる顧客ニーズにこたえていく必要があり、消費者にとっては自分の望む価格でサービスを受けることができるかもしれません。
消費者にとってこういう競争は嬉しいことですが、料金プランなどの安定利益が減る反面、どこかで利益を確保する必要もあります。それが端末の価格(携帯の分割料金割引き)などに影響を与えるかもしれません。

いずれにしても、実際にSIMロック解除が義務化された後の消費者の動向が、先手を打った料金プランの横並びの理由でキャリア間移動がほとんど無いことも予想されます。通話料定額プランの出現により、現在とSIMロック解除義務化後ではあまり変わらないのかもしれません。

 

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